NKT細胞標的治療とは

「NKT細胞標的治療」とは、免疫細胞のひとつであるNKT細胞の働きに着目し、がんの治療に応用した、これまでの活性化リンパ球療法とは違った全く新しい概念からなるがん免疫治療技術です。具体的には、血液内に極微量含まれる特殊な免疫細胞、NKT細胞を体内で強制的に活性化させ、活性化したNKT細胞は自身によってがん細胞を攻撃するのに加え、体内の免疫環境を回復させながら、活性化したNKT細胞が産生するサイトカインにより自然免疫応答と獲得免疫応答の免疫細胞を同時に活性化し、総合的にがん細胞を攻撃させる治療法です。また活性化されたNKT細胞は⻑期免疫記憶を獲得しま す。

NKT細胞標的治療は、そのユニークな作用機序により、全ての人、ほぼ全てのがん種と部位、ステージI からIVに至るまでの全てのステージに適応可能なのが特⻑です。また、自家免疫細胞を用いる治療法であるため、副作用はごくわずかで、標準治療の抗がん剤や放射線治療との併用が可能です(一部注意を要する場 合があります)。

RIKEN-NKTⓇ(理研免疫再生医学が開発したNKT細胞標的治療の名称)に使用される、体内のNKT細胞を活性化させる為に必須な化合物(αガラクトシルセラミド)は理研免疫再生医学が合成方法を独自に発明し、委託先の国内の製薬メーカーにてGMP製造※1したも ので、理研免疫再生医学が独占製造供給権を保有しています。

RIKEN-NKTⓇは2016年6月より再生医療法※2のもと、2022年10月時点までに国内で約420症例以上の実績を有しています。

現在、厳選した全国の21の提携医療機関に向けてRIKEN-NKTⓇ再生医療製品を提供しています。

※1 独自の合成方法を株式会社理研免疫再生医学らが発明し、同社が製造を委託した国内製薬メーカーがGMP製造したものです。GMP(Good Manufacturing Practice)とは、製造業者(外国製造業者含む)および製造販売業者に求められる「適正製造規範」(製造管理・品質管理基準)のことです。品質管理とは、医薬品等の原材料の入荷、検品から製造、製品の包装、出荷管理、製品保管、回収処理などに係る業務です。医薬品製造においては薬事法に基 づくGMP省令を遵守することが定められており、臨床試験を実施する医療機関等にも適用されます。

※2 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」および「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」を指します。2013年、再生医療の研究開発から実用化までの施策を総合的に推進することを目的とし、「再生医療を国⺠が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(再生医療推進法)」が公布されました。この議員立法を踏まえて再生医療に関する具体的な施策が検討された結果、 2つの再生医療法案「再生医療の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」と「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」が成立し、2014年11月25日より 施行されることとなりました。